読んだ本の数:12冊 読んだページ数:4160ページ
今月は個人的に難物なのにいくつかひっかかってはかどらなかった。収穫は恒川光太郎を手に取れたこと。世界観と文体・語彙がすばらしすぎる。世界に誇る日本の太郎さん100選とかあったら1票入れる。
- 千の脚を持つ男―怪物ホラー傑作選 (創元推理文庫)
安定感ある短編集。「それ」が一番好きかなっていうかスタージョンの文章のきらびやかさってなんなんだろう。集中の最地味モンスターなのに。「お人好し」はいい感じに予想を裏切ってくれて古典あなどれねぇ。「スカーレット・レイディ」映画みたいだった。
読了日:04月02日 - 天体の回転について (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
ハードSFと言われればうなずきはするけど、得意のスプラッタや叙述系ミステリや構成の妙や読者の足下すくいなど、多芸ぶりを楽しめる短編集だと思う。表題作は装画にもなってる萌え萌えエレベータガールよりも、くそまじめな主人公により萌えさせられた。いろいろ巧いよなぁ。
読了日:04月03日 著者:小林 泰三 - 夜市 (角川ホラー文庫)
『蟲師』級和製ファンタジー。隣の異界系。すいこまれるように読み終える。余韻と文体が美しい。
読了日:04月04日 著者:恒川 光太郎 - 雷の季節の終わりに
独自の、でも今まさにすぐ隣にあるかもしれないと思える、どこか懐かしい異界の和製ファンタジー。この世界観の構築っぷりがもう身を委ねるしかない感じ。ゆかしく深く響く固有名詞の語感がいちいち良い。恐らくするすると読み終えてしまうので、次の恒川本をお早めにご用意ください。
読了日:04月04日 著者:恒川 光太郎 - 草祭
連作短編集。今まさにそこにある異界。日本語の古く深い根がみずみずしく息づく固有名詞群。美奥説話が紡がれてゆく。いつかこれらはむかしばなしになる。よい本です。
読了日:04月05日 著者:恒川 光太郎 - ちんぷんかん (新潮文庫)
ほのぼのしんみり。「はるがいくよ」白眉。若旦那がようやく気づいて、そしてこれからどう変わるのか変わらないのか。
読了日:04月05日 著者:畠中 恵 - 秋の牢獄
夜市よりこっちのほうがホラーだな。「神家没落」が恒川テイストも背筋凍結も上々でお気に入り。
読了日:04月08日 著者:恒川 光太郎 - 1Q84 BOOK 3
ちょっと涙出た。またBOOK1から続けて読もう。
読了日:04月18日 著者:村上春樹 - ハイドゥナン (上) (ハヤカワSFシリーズ・コレクション)
高密度と著者の力量を思い知らされる感と霊能方面にちょっとくじけたので、下巻はまた後日読む。
読了日:04月18日 著者:藤崎 慎吾 - 月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫SF)
流刑地・月世界の独立神話。ミシェールどこいったの…。「夏への扉」でハインライン無理だと思った私だが、先にこっち読んでればよかったのかもしれん。
読了日:04月30日 著者:ロバート・A. ハインライン - この人を見よ (ハヤカワ文庫 SF 444)
読了日:04月30日 著者:マイクル・ムアコック - 竜の柩〈上〉 (ノン・ノベル四六判)
なんだろうこのこっぱずかしさ、と思ったら、中学生ぐらいで書きたかったのがまさにこんな感じだったという個人的トラウマに触れた…。定型的キャラクターと展開、きりまわしの稚拙な感じに悶えるが、それは自分が映っている鏡というだけか。蘊蓄本として読みたかった。
読了日:04月30日 著者:高橋 克彦
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