札幌の街鳥

札幌市の街路樹には赤い実のなる樹―たぶんナナカマド―がよく使われている。秋冬には鳥の餌になるのだろうと想像していたのだが、近所ではカラス以外の鳥をほとんど見かけず、実も手付かずに見える。
出先で舗道を歩いていたら、足下に赤い実がぱらぱらと落ちているのが目に付いた。さてこそと見上げると、ツグミの群れが枝に止まって実をついばんでいる。羽毛をまんまるにふくらませたスズメの群れも、何か食べられるものがあるのか樹の皮を盛んにつついている。スズメの群れといえばにぎやかなものだと思っていたが、寒さに口をつぐんでいるのかほとんど鳴かない。もしかしたら、鳴き声がしないために近所に棲む鳥に気づかないのかもしれないと思った。