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はてなダイアリーで書いていた日記のログをインポートしました。ごく稀になんか書く。

8月に読んだ本

今月特に面白く読んだ本は「戦闘妖精・雪風 」シリーズ、「空の中」、「アイの物語」です。
読んだ本の数:28冊 読んだページ数:11240ページ

  • 東亰異聞 (新潮文庫) 東亰異聞 (新潮文庫)
    トウケイとかいうほど異界でもないよなぁもっと小野ファンタジーを!と思いながら読み進めたら、最後の最後でこれは異世界のなりたちの物語でもあることがわかって仰天。次点で人形遣いと人形の秘密に仰天。そしてこんな陰惨な仕掛けで浮上してきた異界が、暗闇が濃いからこそなのか澄明さも持ち合わせていそうに予感されて救われる。
    読了日:08月01日 著者:小野 不由美
  • 戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA) 戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)
    テーマ性の魅力故に読みたくてしょうがない神林SF、何作か続けて読みこなせいことが続いて半ば諦めていたけれど、雪風でようやっとスカッと読了できてうれしい。戦闘シーンの膨大な情報量を処理しきれないけれど、とりあえずイキオイで読んでかっちょよさを感じられればOKですか? 雪風はほんとに綺麗でぞくぞくする。“意識ある機械の反乱”には食傷気味だが、そもそも眼中にないっていうのはやけにリアルだった。
    読了日:08月02日 著者:神林 長平
  • グッドラック―戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA) グッドラック―戦闘妖精・雪風 (ハヤカワ文庫JA)
    様々な変化を丁寧に描いている感。雪風がしゃべってびびったが、この意思疎通の方法はなるべくしてなった感じでいい。人とは異質なものとして描かれてきたはずの存在が、突然普通にぺらぺらしゃべるのって興ざめなの。
    読了日:08月03日 著者:神林 長平
  • 老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809)) 老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))
    表題作のヴォールたちいいなぁ!(異星知的生命モノが好きすぎる) 「漂った男」は、海洋惑星での(心理的疲弊以外に)危険のない恒久的遭難というびっくり舞台にまずやられた。
    読了日:08月04日 著者:小川 一水
  • 時砂の王 (ハヤカワ文庫JA) 時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)
    歴史改変SF恋愛エンタメ邪馬台ファンタジーそのほかいろいろ小説。大長編を奇跡的良圧縮で2時間映画にまとめちゃったかのような疾走感がすごい。短編だと思って読んでもいいと思う。今3歳の子供にもいつか勧めたい。
    読了日:08月05日 著者:小川 一水
  • タイムマシンのつくり方 (集英社文庫) タイムマシンのつくり方 (集英社文庫)
    広瀬正初読。筒井康隆による解説は先に読んじゃってもいいんじゃないだろうか。作品と作家の理解にとても役立つ。SFショートショートとなるとどうしても星新一と比べちゃうんだけど、登場人物ののんびり・とぼけ加減が特色だなと思った。よい意味で時代を感じた。小中学生の頃に読みたかったなぁ。
    読了日:08月06日 著者:広瀬 正
  • 幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341)) 幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))
    振り仰いでいたオーバーロードにも振り仰ぐべき者があり、待たれていた大飛躍を遂げた我らが子孫の輝かしさはまるで理解不能…大スケールのぐんにょり感でしばし茫然とした。
    読了日:08月06日 著者:アーサー・C・クラーク
  • ツィス (集英社文庫) ツィス (集英社文庫)
    どうしても懐かしさは否めない。だいぶ読み進むまでシミュレーション小説と気づかず、いろいろ勘ぐり過ぎた。まっすぐ読めばラストのひとひねりを楽しめたんだね。中学ぐらいで眉村卓小松左京佐野洋あたりとあわせて読めたらベストだったかも。
    読了日:08月07日 著者:広瀬 正
  • 海底牧場 (ハヤカワ文庫SF) 海底牧場 (ハヤカワ文庫SF)
    なんだろうこのどっしりした安定感。人生の普遍的な物語でもあるからなのかしら。
    読了日:08月08日 著者:アーサー・C. クラーク
  • 都市と星 (ハヤカワ文庫 SF 271) 都市と星 (ハヤカワ文庫 SF 271)
    古びない、そしてかすかなロマンティックさがある。
    読了日:08月09日 著者:アーサー C.クラーク
  • 天の向こう側 (ハヤカワ文庫SF) 天の向こう側 (ハヤカワ文庫SF)
    有名な生身で宇宙遊泳するやつは表題作の中の掌編「大きく息を吸って」。宇宙時代ものは細部の描写が生活感を醸し出してやけに現実味がある。どうやら四半世紀ぐらい昔に読んだ気がしてきたが、その時点で既に四半世紀の時を経た作品だったのだなぁ。
    読了日:08月09日 著者:アーサー・C. クラーク
  • ばいばい、アース 1 理由の少女 (角川文庫 う 20-1) ばいばい、アース 1 理由の少女 (角川文庫 う 20-1)
    異世界を構築するきらびやかな言葉たちにめまいがしそう。それだけでも楽しいのに、魔法異世界の豪腕美少女剣士なんていう定型的素材が、ウブカタの手にかかるとこんなに理も知もがつんと詰まっちゃうのが憎い。これが初期作品なのか…!
    読了日:08月10日 著者:冲方 丁
  • ばいばい、アース 2 懐疑者と鍵 (角川文庫 (う20-2)) ばいばい、アース 2 懐疑者と鍵 (角川文庫 (う20-2))
    読了日:08月10日 著者:冲方 丁
  • ばいばい、アース〈3〉爪先立ちて望みしは (角川文庫) ばいばい、アース〈3〉爪先立ちて望みしは (角川文庫)
    読了日:08月11日 著者:冲方 丁
  • ばいばい、アース〈4〉今ここに在る者 (角川文庫) ばいばい、アース〈4〉今ここに在る者 (角川文庫)
    展開の先読みを誘うくせに、凡庸な予想のほとんどが思わぬ方向から裏切られて痛快。砕けたというより砕かれた文章、意表を突く飛躍をする登場人物の心理、ともすれば手の内から逃れそうになる筋書きは、読み終えてみればウブカタが引き寄せ翻訳してくれた真に異界の物語であったという感想に落着した。まだその爪の冴えを完全に顕してはいないにしろ、これだけの長大な作品を高密度でまとめ上げた腕力はとてつもない。
    読了日:08月11日 著者:冲方 丁
  • ロシュワールド (ハヤカワ文庫 SF (627)) ロシュワールド (ハヤカワ文庫 SF (627))
    太陽系外に至り調査するために必要な技術と物資、異星の異様な物理・自然環境、そこにあり得る知的生命、起こり得る事態…構想から細部までを確かな知識が支え、科学者による宇宙時代の夢を見てきたように語る。いつものフォワード先生だ。ただ、コンピュータによる異星生命言語の翻訳ぶりがなめらかすぎるのが雰囲気を削いでいると思う。ジル高性能すぎ。異星生命が理知的な資質の割に子供みたいに遊び好きで移り気で噴いた。いろんなガジェットが楽しい。あと私の知る限りで最大のおっぱいが登場する。
    読了日:08月12日 著者:ロバート・L・フォワード
  • 星の、バベル (上) (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ) 星の、バベル (上) (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)
    読了日:08月13日 著者:新城 カズマ
  • 星の、バベル〈下〉 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ) 星の、バベル〈下〉 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)
    謎を追う者が想像をぶつけ謎を知る者が解説するスタイルってなんだろう、実は探偵物なのかな。アスタリスクは美しかった。
    読了日:08月13日 著者:新城 カズマ
  • スタータイド・ライジング (上) (ハヤカワ文庫 SF (636)) スタータイド・ライジング (上) (ハヤカワ文庫 SF (636))
    読了日:08月15日 著者:デイヴィッド・ブリン
  • 空の中 (角川文庫) 空の中 (角川文庫)
    有川浩初読。話作りが抜群に巧い作家であることを今頃知った。キャラクター作りも見せ場作りも台詞回しも巧いし、文章は平明で隙がないし、久しぶりに何のひっかかりも感じずに読書に没入できた。ディックとフェイクの操るそれぞれの言葉がやたらにリアルで、言語好きとしては実によかった。幼獣に関わることの責任と覚悟、青春は青いもんだぜ、じいちゃんの含蓄すげー、こういう大人ってかっこいいよな、あたりのテーマにおいて、子供に読ませたい本リストに加えます。
    読了日:08月15日 著者:有川 浩
  • 王の眠る丘 王の眠る丘
    ハードカバー版の表紙は安彦良和。明らかにそのせいなんだけども、途中まで鋼馬章伝というか安彦漫画が脳裏に浮かんでしょうがなかった。まっすぐな主人公が波瀾万丈の冒険をする埃くさい騎馬ファンタジー、という共通点はある。ラスボス邂逅でいきなり牧野節が炸裂して我に返った。あの禍々しさはもっとちりばめてあってもいいと思うけど、終章で噴出するからこそ王道ファンタジーとしてどなたにもお勧めできるし、ラストでびっくりしてもらえますね!
    読了日:08月16日 著者:牧野 修
  • あなたの魂に安らぎあれ (ハヤカワ文庫JA) あなたの魂に安らぎあれ (ハヤカワ文庫JA)
    極めてソリッドでストイックな作品であるという感触は得つつも、またもひっかかるばかりでなじめず口惜しい。私の小説の読み方は享楽的に過ぎるのだろうか。むしろ雪風なら抵抗がなかった理由を分析したい。3部作を全部読む覚悟ではある。
    読了日:08月18日 著者:神林 長平
  • 帝王の殻 (ハヤカワ文庫JA) 帝王の殻 (ハヤカワ文庫JA)
    自分にとって読みにくい理由を考えつつ読んでいる。(1)私ならショートショートや短編で用いたい書き方だと感じる (2)凝縮されたスタイルなのに早読みしすぎ(いつもよりはゆっくりしているつもり)、読み落としたり誰の台詞なのか見失ったり でも「膚の下」も読むよがんばるよ! 読むべき作品だと思っているから!
    読了日:08月20日 著者:神林 長平
  • ROCK AND READ 026 ROCK AND READ 026
    [購入本] VersaillesJasmine You ロングインタビュー。普段も美人さんやねん…おもしろまじめやねん…泣きそう。
    読了日:08月22日 著者:
  • 膚(はだえ)の下 膚(はだえ)の下
    3部作の中で最も読みやすかった。500頁ほど読んだところで登場人物の顔が思い浮かび始め、ようやく一気に読み下せた。って超後半じゃん! 人物の口調や考え方や語彙に個性が読み取れて行動原理を理解できると、私にとっては読みやすいらしい。また結局は成長と人生の物語が好きみたい。機械人と人との交流で内面を豊かにしてゆく慧慈、個性を獲得していくインテジャー4人組など意識の変容の描写がすばらしく、母のように見守ってしまった。ともあれ贅肉も糖衣もない大作でありました。
    読了日:08月23日 著者:神林 長平
  • きつねのはなし きつねのはなし
    森見登美彦初読。京都の蒸されるような夏や刺すような冬、小路のいきどまりがいきなり苔むす竹林になっていて注連縄がひんやりと湿った風に揺れている様子などを思い出しながら読んだ。不思議がらせよう怖がらせようというのではなく、結末もそれぞれのつながりも確かにはつかめない存在がひとつまたひとつと現れる印象。表題作がいちばん好みだった。
    読了日:08月27日 著者:森見 登美彦
  • アイの物語 アイの物語
    AI とアイビスと愛と i の物語、かな。小説内小説が理知にも情緒にも訴える上質の短編で、しかもそれぞれに直接的なつながりはないのに長編の流れを助けており、奇跡的な所行だと思う。のっけから小説内小説内小説が繰り出されてにやり。TAI たちの操る語彙がなんとなくわかりそうで実はわからない感じが絶妙でいい。ヒトとロボット(AI)の関係は古今さまざまに描かれているが、この案は少しほろ苦く実に澄明で美しく、今のところ一番のお気に入り。肯定できなくても理解を、理解できなくても許容を、は私の願いの一つでもあるから。
    読了日:08月28日 著者:山本 弘
  • ネル (想像力の文学) ネル (想像力の文学)
    少年語り部の語り口と超脱線っぷりがおもしろい。もう少しボリュームがコンパクトで入れ子構造が浅いと子供に読ませたくなりそう。「果てしない物語」をちゃんと読んでおかねば、と思い出した。
    読了日:08月31日 著者:遠藤徹

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