10月に読んだ本
冬に備えて編み物を始めたのでペースが落ちています。うん、落ちているよ!
今月の面白すぎて編み物がはかどらなかった本は「ナイトウォッチ」「数学的にありえない」です。
読んだ本の数:22冊 読んだページ数:8094ページ
- チグリスとユーフラテス
終章だれたかなぁ。ともあれ極めてモトちゃん。
読了日:10月01日 著者:新井 素子 - 世界の涯まで犬たちと
君らええ感じに駄目やなあ!
読了日:10月01日 著者:アーサー・ブラッドフォード - 天の筏 (ハヤカワ文庫SF)
わーそこまで環境設定いじってええんか、というぐらいのびっくり宇宙だった。ファンタスティックなほどでありながら我々の知っている物理学による考証も自然な形で読めて安心。少年の冒険・成長譚でもあり王道人間ドラマでもあり。いろんな宇宙クジラがいるけど、ここに登場するものもまた奇妙でロマンティックで魅力的だった。食べられるのかあれ…。
読了日:10月01日 著者:スティーヴン バクスター - ナチュラルスタイルこどもたちのニット―90cm&110cmサイズ すべて編み方つき (レディブティックシリーズ no. 2732)
シンプルなプルオーバーから超凝った縄編みのダッフルコートまで。セーラーカラーのプルオーバー、凝った見かけの割に易しそうなので編んでいるところ。かのこ編みのショートジャケット、フード付きマフラーも編んでみたい。
読了日:10月04日 著者:michiyo - アッチェレランド
サイバーパンクSFとして読み始めたのに、マンフレッドをはじめ魅力的なキャラクターが揃っているし、ジャーゴン満載の超高速展開だし、見せ場濡れ場笑い所のサービスもいいもので、ONE PIECE あるいはジョジョ的に各キャラクターが個性を生かして活躍する漫画のつもりで一気読み。このジャンルで、噴いてから目を剥いて読み直してもっかい噴くとは思わなかった。どんなに遠くまで行ってもついてくる訴訟と金銭問題までもが、しまいにはギャグに思えてきた。雑かなと思うことも少しはあったけれどおもしろかった。著者すごい訳者すごい!
読了日:10月06日 著者:チャールズ・ストロス - 洋梨形の男 (奇想コレクション)
かわいい装画なのになんで蠅がいるんだろうと首をかしげつつ読んで、表題作の途中でカバー外したくなったけどシール済みの図書館本なので外れませんでした。素晴らしく嫌ぁなおはなしが多彩に攻めてきた。「子供たちの肖像」の作家の業と家族の崩壊を描くサスペンス部分、法螺話「終業時間」のオチのスカッとした切れのよさ、「成立しないヴァリエーション」の夫婦愛部分が特にお気に入り。
読了日:10月09日 著者:ジョージ・R・R・マーティン - プランク・ゼロ (ハヤカワ文庫 SF―ジーリー・クロニクル (1427))
とりあえずいろんな環境にいろんな生物がいてわくわくしつつ下巻へ。
読了日:10月09日 著者:スティーヴン・バクスター,古沢 嘉通 - 真空ダイヤグラム―ジーリー・クロニクル〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)
下巻。各章には面白く読めたものもあったけど、時代が下るにつれ私には突き抜けすぎでついていけなくなっちゃった…。また体調と都合にゆとりがあるときに読む。
読了日:10月11日 著者:スティーヴン バクスター - 闘技場―フレドリック・ブラウン・コレクション (ボクラノエスエフ 3)
片仮名を全てゴシックにするのだけでもやめてほしかった。強調なのか書き文字なのか等々、咄嗟に考えたのち否定する都度思考がつまづく。明朝系も漢字と平仮名のフォントの組み合わせがおかしい感じや、強弱や重心・ベースがばらついている感じがあって気になってしょうがない。本をいつもより遠くに置くと多少読みやすかった。ここまで遊ぶなら用紙だけでなくフォントの情報も記載してくれると嬉しい。とかそんなことばっかり書いていたら作品の感想を書く字数がなくなった私は阿呆ではないでしょうか。とりあえず文体とスタイルの相性すごい!
読了日:10月12日 著者:フレドリック・ブラウン - ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
etml がラストでこう来て大満足。若年性自意識過敏の頃に読むと巻き込まれかねないぐらいの詩的ディストピアだった。特別で個性的な人の視点で物語を進み、その果てに誰も特別でなく個性も意識すらもない世界に導かれ、またそれが究極的な完成形態に思えるとかやばい。乙女三つ巴やらアニメネタやらの糖衣で、えらい苦くて効くものを包んである。etml はスイッチした人々に必要なのか、あらかじめ開発されていたのか、WatchMe の入ってない人々が翻訳ツールとして作ったのか…と訊きたいことは多々あれど、さようなら。
読了日:10月13日 著者:伊藤 計劃 - まごころを、君に THANATOS (講談社ノベルス)
なんかぐっとバランス取れた感じ。デビュー作であれやって帯にああ書かれちゃったら2作目のプレッシャーとかどうなんだろうと思いつつ読んで、おお今度はこっちをひっくりかえしたのかと。美樹真樹の性格を把握するにはこっちを先に読むのもいいかもしれない。という訳で後で1作目を読み直そう。出てきた魚種が表紙なのは内容を思い出しやすくていいな。
読了日:10月14日 著者:汀 こるもの - リッターあたりの致死率は―THANATOS (講談社ノベルス ミI-)
うわぁみんなひとでなしだなぁ! いいひとに限ってあたまわるすぎるしすばらしい。現代ネット風俗の盛り込み方の解ってる感ににやついてしまう。
読了日:10月15日 著者:汀 こるもの - フォークの先、希望の後 THANATOS (講談社ノベルス)
いいキャラ満載でうれしい。漫画で読みたい。今市子あたりの絵で淡々と描かれたい。ちゃんとさわやか恋愛だよ笑うけど!
読了日:10月15日 著者:汀 こるもの - 妙なる技の乙女たち
スカッとさわやか安心明朗ストーリーでした。
読了日:10月16日 著者:小川 一水 - ヴィーナス・プラスX (未来の文学)
スタージョン流ジェンダーのぶっとばし方。知的で柔らかくて美しいなぁ。ジェンダー論とも絡む家庭の情景の挿話も、二段構え三段構えの謎の入れ子も、ふわりと幸せを予感させる読後感もよい。よいのだが、レダム人のルックスの描写を読んで、何故かキャプテントーマスが嵌ってしまって味わいを大幅に損なうという大自爆をした。ああああもったいない。
読了日:10月17日 著者:シオドア スタージョン - アジアの岸辺 (未来の文学)
もう絶対エスカレーターで本を読まない。読書のアルバイトもしない。
読了日:10月19日 著者:トマス・M.ディッシュ,若島 正,浅倉 久志 - ナイトウォッチ
世界観は一癖あるダークファンタジーなんだけど、謎多き組織に属する自意識豊かな工作員を視点に据えた権謀術数サスペンスでもあり。よくわからないところがあっても、構成力とキャラクターの魅力で引っ張ってくれる。フリガナたっぷりなのは幅広い読者層狙いなのか児童ウェルカムなのか。エロ要素が少ないのでお子様も安心だし、単純な光と闇=善と悪の対立の構図を超えてるし、背伸びしたい子は気に入るかも。続きも読みたい。
読了日:10月20日 著者:セルゲイ・ルキヤネンコ - トリフィド時代―食人植物の恐怖 (創元SF文庫)
小学生の時に読んで覚えていた印象=流星群に乗ってきたんだか凶暴化したんだかの新種の植物が動き回って人間を食べるコワイ。30年後に読めば、自業自得でもある突然の破滅を迎えた人類のパニックと、それでも世界を再構築しようとする精神と行動の物語だった。種の保存のために若い女性を集めて…とかのくだりは抄訳ではどうなってたんだろうか。小学生で読んだSFはもっかい読まねばならんとわかった。
読了日:10月23日 著者:ジョン・ウィンダム,井上 勇 - グラックの卵 (未来の文学)
ああこういうジャンルがあるんだっけ。「見よ、かの巨鳥を」は個人的に表題作でもいいと思うぐらいお気に入り。爽快なほどバカだけどがっちりしてる。「マスタースンと社員たち」を安部公房的純文学系として面白く読んだ。おかしみと哀しみが同居し実に居心地悪くて良い。
読了日:10月25日 著者:ハーヴェイ ジェイコブズ - エンベディング (未来の文学)
(私にとっては)肝心の言語部分がどうも不消化なまま後半でもっと解るだろうとがんばって読んで、えええええってなった。ごめんわりとわかんなかった…。解説読まずに返却したのもったいなかったかなぁ。
読了日:10月28日 著者:イアン・ワトスン - デイ・ウォッチ
今回はふりがながないなと思ったら、序盤で随分なセクシー展開というかズバリの濡れ場ありで、こりゃ子供に読ませたくない気持ちにもなるかも。まず自陣のボスの思惑を斟酌せねばならない両陣営中堅には、ロシア的気の毒さを感じた。NetscapeとかIRCとかBattle Angel Alitaとかににやり。
読了日:10月31日 著者:セルゲイ・ルキヤネンコ/ウラジーミル・ワシーリエフ - 数学的にありえない〈上〉
数学とかぜんっぜん興味なくて大丈夫だから! ハリウッド級ジェットコースター科学陰謀アクション人間ドラマだから! 編み物そっちのけで下巻へ。
読了日:10月31日 著者:アダム ファウアー
Powerd by 読書メーター